わたしは幸いにして未だスギ花粉症にはなっておりませんが、花粉症の人のためのお米が開発中なんだとか。
でもってその米は品種改良ではなく、遺伝子組み換えであるということで安全性などの面で議論があるようです。
(以下引用・抜粋 ウィキペディア日本語版より)
スギ花粉症緩和米
スギの花粉に対するアレルギー(スギ花粉症)は、日本では大きな社会問題となるほど近年罹患者が増えている。スギ花粉症緩和米とは、主食である米にスギ花粉症のアレルゲンのエピトープを含有させ、毎日食べ続けることにより、スギ花粉のアレルゲンに経口免疫寛容をおこさせ、スギ花粉が飛散する時期のスギ花粉症を低減させることを目指したものである。
スギ花粉のアレルゲンとしてCry j IとCry j IIの二種類の花粉のタンパク質が知られている。Cry j Iから三カ所のエピトープ部分を、Cry j IIから四カ所のエピトープ部分を選択し、それらに対応する合成DNAを作製し連結した。その他にイネ種子貯蔵タンパク質であるグルテリンの小胞体移行シグナルであるシグナル・ペプチドの塩基配列をそのアミノ末端側に、更に小胞体での繋留配列であるKDEL(リシン・アスパラギン酸・グルタミン酸・ロイシン)配列の塩基配列をカルボキシル末端側に連結した。これをグルテリンの遺伝子のプロモーターの下流に連結して、イネに導入し、形質転換体をえた。この形質転換における選択系・選択マーカー遺伝子の除去系として、後述の「選択マーカー遺伝子の除去系」のうちの「MAT vector法」が用いられている。七種類のエピトープ(7Crp)は米の内胚乳中に蓄積されていた。含まれる7Crpの量は一日一合、米を成人が食べると仮定した場合、十分に経口免疫寛容を起こすことが期待される。
「スギ花粉ペプチド含有イネ(7Crp,Oryza sativa L.)(7Crp#242-95-7)の生物多様性影響評価書の概要」において公開されている。その他、独立行政法人・農業生物資源研究所の「スギ花粉症緩和米の研究開発について」において詳しく解説されている。マカク属の猿の一種でアカゲザルと近縁であるカニクイザル(Macaca fascicularis)を用いて3つのグループに分け、このスギ花粉症緩和米の白米を炊飯して多量、少量、及び非組換えの親株の白米をコントロールとして26週間にわたり摂食させた実験の結果、行動や体重に変化を観察できず、血液的、生化学的な有意差はなく、また、病理的な症状や組織病理的な異常も観察されなかった。このことは、このスギ花粉症緩和米の摂食の安全性を示す結果である。
なお、A
rice-based edible vaccine expressing multiple T cell epitopes induces oral
tolerance for inhibition of Th2-mediated IgE responses, PNAS 2005
102(48):17525-30[114]は、MAT vector法によって形質転換したものでなくCry j IとCry j IIのタンパク質自体を発現させた米とスギ花粉症を発症したマウスを用いて、スギ花粉症に対する経口免疫寛容を調べたものである。Cry j IとCry j IIのタンパク質を発現している米を食べているマウスにおいては、スギ・アレルゲン特異的な免疫グロブリン IgE、IgGやインターロイキン
IL-4,5,10,13やヒスタミンの血中濃度が有意に低下しており、また、スギ花粉によるくしゃみの回数も減少していた。7Crpを発現している米においても同様の効果が期待される。
ただし、スギ花粉症緩和米は厚生労働省によって医薬品とみなされ、まだ、商品化の目処は立っていない。
(引用おわり)
恥ずかしながら読んでもまったく分かりませんが、情報として知っているのは、日本はイネのゲノム解析に成功したとのことです。
今回のはそれの応用で実用化の動きですね。
ただ分からんのは皆一緒でしょうし、分からんモノって基本怖いので、これはスッと行かんのじゃないでしょうか。
こちらのブログでは交雑の危険性を指摘されています。
(以下引用・抜粋)
過去、人類は農薬や合成添加物について、当初は問題なしと判断して大量に使用し、後々になってその安全性の問題に気づき、生産を中止するということを何度も繰り返してきました。農薬のDDTや合成保存料のAF2などが有名です。しかし、それでも生産を中止すれば、その農薬がそれ以上増えることはありません。土壌に残留した農薬も年月と共にゼロになっていきます。
しかし、生物に組み込まれた遺伝子は、生物の生殖によって、自己増殖を続けていきます。ちょっと例が異なりますが、琵琶湖に入った外来種のブラックバス一つとっても、私たちはゼロにすることはできません。そのため、例えば、後になって、除草剤に枯れない菜種の問題点が明らかになったとしても、その時にそのDNAをもった植物が拡散してしまっていると、そのDNAを全部を回収することは、もはや不可能となるのです。
止められない交雑のリスク
ここで、ちょっと気になる情報をご紹介。
イネの交雑試験結果(北海道)表2は、北海道で行われた交雑試験の結果です。遺伝子組換え作物が試験栽培されている場所から、一定距離離れた場所での交雑率を調べています。
結果を見ると、例えばイネでは650mも離れていても0.028%の交雑率だということがわかります。栽培場所から離れていても、完全に交雑を防止することができないことがわかります。
遺伝子組換えナタネ、自生この危機は、すでに私たちの身近なところでも実際に起こっています。輸入した遺伝子組換えの菜種ですが、荷揚げした港からトラックで全国さまざまな場所に輸送されます。その途中で、荷揚げした港やトラックからこぼれ落ち、飛散して自生してしまっているのです。
グリーンコープ共同体が行っている「自生遺伝子組換えナタネ汚染調査」では、西日本を中心に全272ヶ所で調査を実施、そのうち大阪、岡山、熊本などの30検体で遺伝子組換えナタネが自生していることがわかりました。
(中略)
確かに、花粉症を和らげるお米があると便利かもしれません。しかしその一方で、自然にある稲がスギ花粉の抗原をつくれないことの意味を、私たちは理解できていないのも事実です。同様に、なぜ一般の大豆はラウンドアップで枯れるのか、その生態系における意味を人類はまだ知っていません。
その「知らない」ということに対して、私たちはもっと謙虚であるべきでしょう。その面からも、遺伝子組み換えの問題点を、私たちはもっと認識していく必要があると思います。
(引用おわり)
そうですね。
徒に怖がってヒスを起こすんじゃなく、「知らない」ということを知っておくのが大事なんですね。
0 件のコメント:
コメントを投稿